【大学受験】 医師になるまでに医学生が絶対に受ける試験とは?
こんにちは, ホームページ管理人の長男です.
現在, 医学部の5年生です.
先日, 高校生からこのような質問をいただきました.
『医学部の試験ってどんな感じですか?』
私も入学当時, 同じ思いをしていたのですごく共感しました. 私の場合, 唯一知っていたのは, 医師国家試験ぐらいです…
そこで,今5年生になったからこそわかる,医学部の試験について,詳しく説明します.
全国の医学部を目指している中学生や高校生に有益な情報を提供できれば幸いです.
医学生全員が受ける4つの試験とは?
令和2年現在,日本全国には国公立大学や私立大学,そして文部科学省の管轄外となっている防衛医科大学校を含めて82校あります.
大体,一学年の定員が100名前後なので,全国で約8200人の医学生が一学年にいます.
その医学生が受ける試験は大きく分けて2種類あります.1つは大学ごとで行なっている試験(期末試験など),もう1つは大学の垣根を超えた、全国の共通試験の2種類です.
今回は,全国の医学部生が医師となるには必ず受ける,4つの試験について紹介していきたいと思います.

第一関門:CBT
CBTはなんの略称か知っていますか?
私はそれを聞かれた時に,全く見当がつきませんでした.
答えは『Computer Based Test』です.頭文字をとって『CBT』という名称になっています.4年生の間に受ける試験です.
試験問題は『医学教育モデル・コア・カリキュラム』に記載されている臨床実習開始前までに修得すべき知識の範囲から出題されます,
『コア・カリキュラム』ってなんだ?と感じると思いますが,ほとんど全ての大学の授業は『医学教育モデル・コア・カリキュラム』にのっとって学校の授業を行なっているので,ざっくりいうとCBTは『1ー4年生までのまとめテスト』です.
また,名前にもある通り,コンピューターで試験を受けます.その為,コンピューターの特性を活かし出題される問題は,一人一人バラバラで,コンピュターがランダムに問題を抽出し出題しています.つまり,隣で試験を受けてる友達と解いてる問題は違います.
この後,紹介するOSCEと同じ時期に試験があり,この2つをクリアする事で,臨床実習に進む事ができます.
CBTのまとめ
・『Computer Based Test』の略
・4年生の時に受験する総合試験.
・コンピューターがランダムに320問を出題する
・受験のタイミングは大学毎にバラバラ
OSCE(オスキー)
OSCE(オスキー)は『Objective Structured Clinical Examination(客観的臨床能力試験)』の略称です.
この試験もCBTと同様に,4年生の間に受ける試験です.
この試験は臨床実習を始めるにあたり必要とされる技能と態度を試験します.
(自動車教習場に例えるなら,CBTが筆記試験,OSCEが路上試験って感じです)
この試験を受け,無事に合格することで4年生の後半,もしくは5年生から始まる臨床研修(実習)に,参加することができます.
これを合格しないと,臨床研修(実習)に進むことはできません.
OSCEのまとめ
・客観的臨床能力試験のこと
・臨床実習に必要な技能や態度を見定める試験
・受験のタイミングは大学毎にバラバラ

Post-CC OSCE
Post-CC OSCEとは,先ほど紹介した4年生OSCE(オスキー)の6年生で受けるバージョンの試験です.
正式名称は『Post Clinical Clerkship OSCE』です.
2019年度まではこの試験がトライアル段階でした.その為,卒業に関わるか否かは,所属する大学の裁量に任されていました.
しかし,2020年度(今年)から全国の医学部で正式に医師国家試験の一部となります.
その為,この試験は全国の医学生が医師になるために必要な条件の一つとなりました.
Post CC OSCEのまとめ
・6年生の段階で受ける試験
・4年生OSCEよりも要求されるレベルは上
・去年までトライアル期間で,今年から全国の医学生で必須の試験
医師国家試験
医師国家試験は,今まで紹介した試験の中で最も有名ではないでしょうか?
私も,医学部に入学する前から,この試験の存在だけは唯一知っていました.
以前は,年2回行なっていた時代もあったそうですが,今では年に一回のみとなり,毎年真冬の2月ごろに実施されています.
ここまで紹介してきた試験は全て,受験のタイミングが大学毎にバラバラでしたが,医師国家試験だけは唯一,全国の医学生が同じタイミングが受験します.
この試験の受験資格は医学部を卒業した人しか受けることのできない試験です.
試験に合格すると,はれて医師になることができます.
医師国家試験のまとめ
・毎年2月に実施される試験
・医学部を卒業した人しか受験できない
・試験に合格すると医師になれる
結論
医学部における試験は, 大学ごとの試験と,全ての大学で共通する試験の2種類あります.
全ての大学で共通する試験は4つあり,4年生で2つ,6年生で2つあります.
4年生の段階で受けるのは,CBTとOSCEで,6年生の段階で受けるのは,Post CC OSCEと医師国家試験です.
この情報が少しでも医学部を目指している中学生や高校生のためになると嬉しいです.