小胞体は幅広い機能を持っている細胞小器官です。
今回は、小胞体の構造と働きについて紹介します。
小胞体の構造
小胞体は、外観により「粗面小胞体」と「滑面小胞体」に分類されます。
「粗面小胞体」と「滑面小胞体」の違いは、タンパク質合成に関与する「リボソーム」が小胞体に付着しているか否かです。
「粗面小胞体」はその周りに膜結合リボソームが散りばめられて付着していることから、その名前がついています。
それに対し、「滑面小胞体」はその周りにリボソームを持たない小胞体の総称です。

膜結合リボソームが小胞体の周りに付着している
粗面小胞体の働き
粗面小胞体は、その周りにリボソームが付着している小胞体です。
主に、細胞外に分泌されるタンパク質の合成やプロセッシングが行われています。
粗面小胞体と周囲の構造の関係性
細胞核
粗面小胞体の膜と真核生物の細胞核の外膜は連続しています。
ゴルジ装置
ゴルジ装置(ゴルジ体)はタンパク質を輸送、修飾、包装して目的の場所に送り込む細胞小器官です。
粗面小胞体で合成された分泌タンパク質を効率よく輸送、修飾、包装できるように、ゴルジ装置は粗面小胞体の近くにあります。

滑面小胞体の働き
滑面小胞体はリボソームが付着していない小胞体の総称です。
コレステロールやステロイドホルモンの合成、カルシウムイオンの貯蔵などを行なっています。
その為、ステロイドホルモンを産生する副腎皮質の細胞などでは、滑面小胞体が豊富に存在します。
確認問題
タンパク合成が行われる細胞内小器官はどれか。(看護師国家試験104回 午前77問)
1. 核
2. リボソーム
3. リソソーム
4. ミトコンドリア
5. Golgi<ゴルジ>装置
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