生物基礎 副腎について
こんにちは、生物基礎・生物のコーナーです。
今回のテーマは『副腎 (Adrenal Gland) 』です!
副腎は内分泌臓器の一つで、色々なホルモンが作られています。
それ故に、苦手な人が多いと多いです。
まずは、副腎の構造と副腎から作られるホルモンについて抑えていきましょう!
副腎はどこにあるの?
まずは、副腎が体のどこにあるか確認しましょう!
副腎は、腎臓の上にある小さな臓器です。
左右両方の腎臓の上に、ある5−7g程度の構造物です。
CT画像では、『Y』を逆にしたような形の構造が副腎です。
『副腎皮質』『副腎髄質』とは?
副腎の勉強をするときに、避けて通れないのが『副腎髄質』と『副腎皮質』です。
副腎皮質はその名前に『皮』が入る通り、副腎の外側を覆っています。
それに対し、副腎髄質は、副腎の内側にある構造です。
肉眼的にみると、副腎皮質は淡黄色、副腎髄質は赤褐色に見えます。
(副腎皮質が淡黄色に見えるのは、皮質を構成する細胞の細胞質には、沢山脂肪成分を含んでいるから?)
皮質と髄質の割合ですが、副腎皮質が8割を占めています。
『副腎皮質』と『副腎髄質』は似て非なるものか?
副腎皮質と副腎髄質は、発生学的に似て非なるものです。
どういうことかというと、副腎皮質と副腎髄質は、由来する構造が違うからです。
発生学的には、『副腎皮質』は中胚葉細胞の細胞から由来するのに対し、
『副腎髄質』は交感神経系になりうる神経堤細胞から由来します。
神経堤細胞は、外胚葉細胞の一種なので、大きな括りで見ると副腎髄質は外胚葉由来のものになります。
その為、発生学的にみると、副腎皮質と副腎髄質は似て非なるものです。
副腎皮質ホルモンの種類
副腎皮質からは、主に3種類のステロイドホルモンが作られます。
- 鉱質コルチコイド(アルドステロン)
- 糖質コルチコイド(コルチゾール)
- アンドロゲン
おそらく、高校の教科書にもこのように書いてあると思います。
ですが、正直これだけ書かれても、副腎皮質ホルモンが3種類あることすら忘れてしまいそうな気がしませんか?
事実、私は高校生の時に何度も忘れました。
でも、副腎皮質の構造を覚えると3種類のホルモンがあることに納得します。
副腎皮質は3層に区別される
副腎皮質の構造を顕微鏡でよく観察すると、外側から内側にかけて段々と細胞の配列様式が変化していきます。
(『副腎皮質 組織像』でググってみてください。)
その見た目から、外側から順に、
- 球状帯(きゅうじょうたい)
- 束状帯(そくじょうたい)
- 網状帯(もうじょうたい)
と命名されています。
この3つの層は、層ごとに特別なホルモン合成酵素を持っている細胞が集まっています。
その為、層ごとに特別なホルモンが作られます。
具体的には、下記の通りです。
- 球状帯 ― 鉱質コルチコイド(アルドステロン)
- 束状帯 ― 糖質コルチコイド(コルチゾール)
- 網状帯 ― アンドロゲン
また、上記の3ホルモンは全てステロイドホルモンです。
ステロイドホルモンの原料は脂肪で、ステロイドホルモンを作る細胞の細胞質には、脂質が豊富に蓄えられています。
副腎髄質ホルモン
次は副腎髄質から作られるホルモンです。
副腎髄質では、ノルアドレナリンとアドレナリンが作られています。
二つも?と思うかもしれませんが、副腎髄質の由来を考えると意外と簡単に覚えられます!
前述の通り、副腎髄質は神経堤細胞由来です。
もう少し具体的に説明すると、交感神経系になる予定の神経堤細胞の一部が副腎の内方に侵入して配列したものです。
なので、交感神経で分泌される物質と副腎髄質で分泌される物質は似ています。
交感神経で分泌されるのは、ノルアドレナリンで、副腎髄質でもノルアドレナリンが分泌されます。
副腎髄質では、それに加え、ノルアドレナリンの代謝産物のアドレナリンが分泌されます。
(ノルアドレナリンからアドレナリンへの反応式はググると出てきます!)
まとめ
今回は、副腎の構造と副腎で作られる各種ホルモンについて、組織学や発生学を絡めながら説明してきました。
分からない点やもっと詳しく知りたい箇所等がございましたら、コメントで教えてください。