【表付き】 自律神経系 臓器ごとの調節 まとめ

自律神経系は内臓と中枢神経を連絡する末梢神経系で、基本的な生命活動の維持に欠かせません。

自律神経系はさらに交感神経系と副交感神経系の2系統があります。

この2系統は各々の組織・臓器に対し、互いに反対の作用をします。

これを「拮抗(きっこう)」と言いました。

今回は、各々の組織・臓器に対する交感神経系と副交感神経系の作用をまとめました。

(前回:『自律神経系 交感神経と副交感神経』)

自律神経系の臓器ごとの調節

交感神経系と副交感神経系の、各々の組織・臓器に対する作用を以下の表で紹介します。

このとき、交感神経系が『闘争と逃走の神経(Fight and Flight)』と言われるように、体を活発に動かすときの神経系であること、副交感神経系が体をリラックスするときの神経系であることをイメージすると、表が理解しやすくなります。

交感神経副交感神経
瞳孔散瞳(拡大)縮瞳(縮小)
心拍増加減少
血圧上昇下降
気管支平滑筋弛緩⇨気管支拡張収縮⇨気管支収縮
肝臓グリコーゲンの分解グリコーゲンの合成
皮膚の血管(末梢血管)収縮
消化液分泌・消化管運動抑制促進
排尿抑制促進

瞳孔

瞳孔は光の量に応じて、その径を変化させます。

瞳孔径を大きくする時は、瞳孔散大筋が収縮します。

それに対し、瞳孔径を小さくする時は、瞳孔括約筋が収縮します。

瞳孔散大筋は、下図のように放射状に走っている筋肉なので、収縮すると瞳孔を広げます。

一方、瞳孔括約筋は下図のように輪走している筋肉なので、収縮すると瞳孔を小さくします。

瞳孔散大筋は交感神経の支配を受けていて、瞳孔括約筋は副交感神経の支配を受けています。

あくまでイメージの話ですが、

天敵と対峙しているとき(交感神経が優位なとき)は、敵の視覚的情報(光)を沢山取り入れていですよね。

また、布団に入りリラックスするとき(副交感神経が優位なとき)は、瞳孔が縮小し、眼に入る光の量を制限したいですよね。

心臓

心臓の運動を調節する方法には、神経性調節と液性調節があります。

自律神経系による調節は、神経性調節の方です。

天敵と対峙しているとき(交感神経が優位なとき)は、全身に沢山の酸素・栄養を送る必要があるので、血流のポンプである心臓は頑張ります。

交感神経が興奮すると、心臓の心拍数、心収収縮力は上昇します。

一方で、リラックスしている状態では、心拍数と心収縮力は低下します。

ランニングした後と、休んでいる時の心拍数を数えてみると一目瞭然です。

気管支

気管支は、その管の周りに気管支平滑筋という筋肉がついています。

この筋肉が弛緩すると気管支は拡張し、収縮すると気管支は細くなります。

天敵と対峙しているとき(交感神経が優位なとき)は、できる限り沢山の酸素を体に取り入れたいので気管支は拡張します。

さて、気管支が分泌物などで細くなり、息苦しくなる病気に「気管支喘息」があります。

この状態でさらに副交感神経が優位になると気管支はさらに細くなり、空気の通り道が失われ、とても危険です。

その為、気管支喘息の発作時は、交感神経系を優位の方向に作用するβ刺激薬を使います。

一方で、交感神経系を抑えて副交感神経系が優位の方向に作用するβ遮断薬などは『禁忌』です。

肝臓

グリコーゲンは体に貯蔵している糖の塊です。

戦闘状態のときは、このグリコーゲンを分解して、全身の糖分を補います。

一方でリラックスしているときは、いざという時に備え、グリコーゲンを合成します。

消化液の分泌と消化管運動

消化液の分泌と消化管運動は、交感神経が優位のときは抑制され、副交感神経が優位の時に促進されます。

天敵に襲われて自分の生命が危うい状態で、呑気に消化や吸収にエネルギーを割くのは効率が悪いですよね。

そう考えれば、交感神経優位の時に消化液の分泌と消化管運動が抑制されるのは、イメージしやすいです。

膀胱

膀胱は尿を溜めておく臓器です。

天敵と対峙している時に、おしっこを漏らしてしまっては大変です。

交感神経が優位なときは、膀胱の平滑筋は弛緩していて、

栓の役割を果たしていうる尿道括約筋は収縮しています。

副交感神経が優位になると、膀胱の平滑筋が収縮して容積を小さくし、

栓の役割を果たしている尿道括約筋も弛緩して、尿を体外に排泄します。

まとめ

今回は、自律神経の各々の組織・臓器での調節について扱いました。

かなり量が多い範囲なので、一度に覚えきるのは難しいかもしれません。

ただ、何回も反復すれば次第と定着します。

度々になって、しつこいかもしれませんが、交感神経系と副交感神経系の作用を覚えるときは、

交感神経系が『闘争と逃走の神経(Fight and Flight)』と言われるように、体を活発に動かすときの神経系であること、

副交感神経系が体をリラックスさせるときの神経系であるという、大きなイメージが大切です。

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