生物基礎 心臓
心臓は昼夜を問わず絶え間なく収縮と弛緩を繰り返し,全身に血液を送り出すポンプとして大切な臓器です。
今回は,ヒトの心臓の基本的な構造と機能を紹介します。
ポイント
心臓の基本的な構造と機能の説明をする前に,循環器系を勉強する上で大切なことがあります。
それは,血液の流れる方向を意識することです。
血液の流れる方向を意識すれば、心臓の弁の向きなども簡単に覚えることができます。
心臓の構造
大きさ
心臓の大きさは一般的に,握り拳ぐらいの大きさです。
『想像よりも小さかった』
『想像よりも大きかった』
色々な感想があると思います。
感じ方は人それぞれだと思います。
位置
心臓は左胸にあると思われがちですが、実は胸のほぼ中央にあります。
前からみると、心臓の3分の1は正中線より右側に、3分の2は正中線より左側にあります。
内部構造
ヒトの心臓の基本的な構造は,『2心房2心室』です。
1つの心房と1つの心室で1セットです。
右側にあるセットが,右心房・右心室、
左側にあるセットが,左心房・左心室です。

左右の心房は「心房中隔」によって隔てられていて、左右の心室は「心室中隔」によって隔てられています。
血液の流れ
心臓内での血液の流れは下の簡易図のようになっています。
右心房には上下大静脈から血液が流入します。
そして、その血液は右房から右室に行き、右室から肺動脈へと押し出されます。
左心房には肺静脈から血液が流入します。
そして、その血液は左房から左室へ行き、左室から大動脈へと押し出されます。

弁
心臓には血液の逆流を防止するための弁がついています。
弁がある場所は,
・心房と心室の間
・心室と動脈の間
です。
右心房と右心室の間の弁を「三尖弁」,
左心房と左心室の間の弁を「僧帽弁」,
右心室と肺動脈の間の弁を「肺動脈弁」,
左心室と大動脈の間の弁を「大動脈弁」
と言います。
「僧帽弁」の「僧帽」はカトリックの司教冠に似ていることに由来しています。
心臓を栄養する血管
心臓も全身を構成する臓器の一つです。
昼夜を問わず絶え間なく拍動するためには、もちろん酸素と栄養が必要です。
冠動脈がその役割を担っています。
冠動脈は、大動脈弁(左心室と大動脈の間の弁)の大動脈側から2本分岐しています。
右の冠動脈が右冠動脈で、左の冠動脈が左冠動脈です。
左冠動脈は、その後すぐに、左前下降枝と回旋枝に分かれます。

まとめ
今回は、循環器系で重要な臓器である心臓について、その構造や栄養する血管について簡単に紹介しました.
循環器の勉強では、血液の流れを意識しながら勉強するのがおすすめです.