【生物基礎・生物】血液 その①
こんにちは、生物基礎・生物のコーナーです。
今回は、私たちが生きていく上では欠かすことのできない『血液』です。
少し量が多い範囲なので、何回かに分けて解説していきます。
まず初めに血液の基本について解説します。
それでは早速見ていきましょう。
血液はどれぐらいある?
私たちの身体の大半は水分からできていて、成人男性で体重の60%、新生児で約80%が『体液』とよばれる液体でできています。
『体液』をもう少し細かく分類すると、リンパ管を流れるリンパ液、組織・細胞間隙を流れる組織液、血管内を流れるのが血液に分けることができます。
そうです。『血液』は体液の一種です。

では、『血液』がどんな働きをしているかというと、下記のようなことがパッと思いつきます。
- 酸素・二酸化炭素の運搬
- 腸管から吸収した栄養素の運搬の全身への運搬
- ホルモンの標的組織までの運搬
- 免疫機能(身体を異物から防御する仕組み)
- 体温調節 などなど
他にも色々ありますが、上記の項目だけ見ても、『血液』は私たちが生きていく上で欠かせない感じが伝わってきませんか?
そんな、生きていく上で欠かせない『血液』は、私たちの体にどれくらいあるかわかりますか?
答えは、体重の約1 / 13 ( 8% ほど)です。
つまり、体重が60kgのヒトの場合、血液量は約4.8Lということになります。
血液の成分
次に『血液』をもう少し細かく見ていきましょう。
血液は赤血球や白血球をはじめとした『有形成分』とそれを浮遊させる『液体成分』に分けることができます。
『有形成分』は赤血球や白血球などの細胞や血小板から構成されています。
一方で、液体成分は水、タンパク質(アルブミン、フィブリノゲン、グロブリン)、脂質、無機塩類、グルコースなどから構成されています。
両者の割合は、血球成分が45%程度を占めていて、残りを液体成分が占めています。
(血球成分の具体的な分類・説明については次回以降で扱います)
血漿と血清の違いは?
有形成分については、次回で詳しく扱うとして、今回は液体成分をさらにクローズアップして見ていきましょう。
液体成分でよく問われるのは、『血漿』と『血清』の違いです。
『血漿』は先ほど説明した『液体成分』全体を指しています。
すなわち、水、タンパク質(アルブミン、フィブリノゲン、グロブリン)、脂質、無機塩類、グルコースなど全てです。
それに対し、『血清』は、血漿成分からフィブリノゲンをはじめとした凝固因子を完全に取り除いたもの、またはごく少量しか入っていないものを指します。
なので、『血漿』と『血清』の間には以下のような関係が成り立ちます。
血漿=血清+凝固因子
まとめ
今回は、血液の基本や『血漿』と『血清』の違いについて扱いました。
次回以降は、血液系についてさらに深掘りしていこうと思います。