【+α】2つの『膵芽』が合体して『膵臓』になる
Tweetこれまで,『膵臓の解剖・生理機能』や,『血糖値を調節するホルモン』の解説で紹介してきた『膵臓』。
今回は,この膵臓がどうやって形成されていくのかを紹介します。
生物基礎・生物の範囲外ですが,興味のある方は,是非最後までお付き合いください。
膵臓がなぜあの形なのか?
など、色々な疑問が解決すると思います。
それでは早速見ていきましょう!
膵臓の解剖 | 復習
と、その前に、以前紹介した膵臓の解剖について復習しておきましょう!
下記の写真も参考にしながら、下の枠の内容を確認してください!

膵臓の解剖
・腹腔内にある横長の臓器
・胃の後ろの壁に固定されている
・『バナナ』または『ピストル』のような形
・膵管は十二指腸へ続いている
膵臓の発生
では、いよいよ膵臓があの形になっていく過程を紹介します。
まず、『腹側膵芽』、『背側膵芽』の二つのキーワードを押さえておいてください!
キーワード
・腹側膵芽
・背側膵芽
将来,膵臓となる構造を『膵芽(すいが)』と言います。
この膵芽は,将来的に『十二指腸』となる腸管の一部から,出現します。
出現する膵芽は全部で2つあり,お腹側の膵芽を『腹側膵芽』,背中側の膵芽を『背側膵芽』と呼びます。
参考写真だと,『腹側膵芽』が「ventral」で,『背側膵芽』が「dorsal」ですね。
結論から言うと,この二つの膵芽が合体して,成人と同じ形をした膵臓になります。
次にそれについて具体的に説明していきます。
発生が進んでいくと,腸管は回旋していきます。
その回旋の際に,膵芽も一緒に回旋します。
腸管の回旋に伴い,腹側膵芽は背側へと回り込んでいき,背側膵芽に徐々に接近していきます。
そして,限りなく接近すると,腹側膵芽と背側膵芽は融合し,成人の形をした膵臓となります。
〔+α〕輪状膵
輪状膵とは,膵臓の一部が十二指腸を輪状に取り囲み種々の症状を起こす,稀な疾患。
輪状膵の成因に関しての定義はないが,輪状部の膵管の走行から,胎児期の腹側膵芽の発育ならびに回転異常による説があります。
動画
ここまで説明した,膵臓の発生を扱っているYouTubeの動画です。
動画で見ると,経時的変化がよくわかります!
まとめ
以上が膵臓が成人と同様の形になるまでの過程です。
高校生物の範囲外ですが,筆者が発生学を習った時に,『これを高校生の時に知りたかったな』と思ったので今回紹介させていただきました。
最後まで読んでいただいた方,誠にありがとうございました。
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