生物基礎 ホルモンを材料で分類してみよう!

「ホルモン」は内分泌腺から血中に放出され、遠く離れた特定の器官・組織(「標的器官・組織」と言います)の受容体に結合し、作用する化学物質です。

※ 焼肉の「ホルモン」とは別物です。

この化学物質は種類が盛り沢山です。

放出する内分泌腺の違い、作用する器官・組織の違い、受容体の違いなど、まさに十人十色です。

正直、全てのホルモンをただ丸暗記して乗り切るのは、相当な記憶力と根気が必要でしょう。

当初の私も、丸暗記を試みましたが、途中で音を上げてしまいました。

そこで試みたのが、共通点を見つけてホルモンを分類する方法です。

既にホルモンの範囲を勉強された方ならご存知かと思いますが、ホルモンには色々な共通点があります。

例を挙げるなら、下記の通りです。

  • 内分泌腺ごとのホルモンの分類
  • ホルモンの組成による分類
  • ホルモン受容体の細胞での局在による分類
  • ホルモン受容体の分子構造による分類

このように分類することで、幾分か丸暗記の量を減らす事ができます。

今回は、ホルモンの組成によって分類したものを紹介します

具体的にはホルモンの材料完成したホルモンの構造に着目します。

※ 少しばかり生物基礎の範囲をオーバーしてしまうかもしれませんが、ご了承ください。

アミノ酸を材料とするホルモン

アミノ酸とは、アミノ基とカルボキシ基の両方を持つ有機化合物の総称です。

基本的な構造は下図のようになっています。

アミノ酸から合成されるホルモンは沢山ありますが、それらを大きく分類すると、ペプチドホルモンアミノ酸誘導体の二つに分ける事ができます。

ペプチドホルモン

アミノ酸が沢山つながると、ペプチドを形成します。

このペプチドを材料とするホルモンを、ペプチドホルモンと言います。

視床下部・下垂体ホルモンや、インスリン、グルカゴン、ガストリンなどです。

ただ、正直な話、ペプチドホルモンは山ほどあるので、覚えるのは相当な記憶力と根気が必要です。

あくまで個人的な感想ですが、これから紹介するアミン誘導体やコレステロールを材料とするホルモンを先に覚え、それ以外がペプチドホルモンであると覚えた方が効率的でしょう。

ペプチドホルモンは総じて水溶性のホルモンなので、受容体は細胞膜受容体です

アミノ酸誘導体ホルモン

アミノ酸誘導体ホルモンは、1個のアミノ酸を材料にして作られたホルモンたちの総称です。

ノルアドレナリン / アドレナリン

ノルアドレナリンとアドレナリンは、アミノ酸の1種であるチロシンから、一連の酵素反応を経て合成されるホルモンです。

下図の反応を経て、ノルアドレナリンとアドレナリンは合成されます。

また、反応中に出てきた、L-Dopaはパーキンソン病の治療薬として使われています。

ノルアドレナリンとアドレナリンも受容体は細胞膜受容体です。

化学式が気になる人は「アドレナリン 合成経路」で調べて見てください

甲状腺ホルモン(チロキシン)

甲状腺ホルモンはその名の通り、甲状腺で合成されるホルモンです。

甲状腺ホルモンもチロシンを使っています。

※合成反応は少し複雑なので割愛します。

甲状腺ホルモンについてはこちらで詳しく書いています。

甲状腺ホルモンは、分子量がとても小さいので、受容体は細胞内受容体です。

コレステロールを材料とするホルモン

コレステロールは細胞膜の構成に使われていたり、重要な生体反応に関わっていて欠かせない物質の一つです。

一方で、コレステロールが過剰になってしまうと動脈硬化のリスク因子となります。

そんな、コレステロールを材料とするホルモンを総称して「ステロイドホルモン」と言います。

具体的には、副腎皮質ステロイドホルモン(鉱質コルチコイド、糖質コルチコイド、アンドロゲン)、性腺ホルモン(エストロゲン、アンドロゲン)、ビタミンDがそれに該当します。

ステロイドホルモンは、脂溶性の物質で細胞膜を通過できるので、ホルモン受容体が細胞内にあっても問題になりません。

黄色:ステロイドホルモン
水色:水溶性ホルモン

ホルモンを材料で分類するときのコツ

「コツ」という程のものではありませんが、まずステロイドホルモンとアミン誘導体ホルモンを覚えましょう。

というのも、ペプチドホルモンは数が非常に多いです。

ペプチドホルモンから覚えていてはキリがありません。

まずは、覚える数が限られているアミノ酸誘導体やステロイドホルモンを覚え、その後に「それ以外はペプチドホルモン」ぐらいのノリで覚えるのがコツです。

まとめ

今回は、ホルモンの材料や、完成したホルモンの構造によってホルモンを分類しました。

下図が今回のまとめの表です。

原料ホルモンの分類具体例
アミノ酸ペプチドホルモンインスリン、下垂体ホルモン
アミノ酸アミノ酸誘導体甲状腺ホルモン、副腎髄質ホルモン(アドレナリン、ノルアドレナリン)
コレステロールステロイドホルモン副腎皮質ホルモン、性腺ホルモン

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