【医学部】 免疫学とはなにか?
こんにちは,ホームページ担当の長男です.
今回のテーマは,医学部の低学年の時に学ぶ,「免疫学」について紹介していきます。
これから免疫学を勉強する方に,有益な情報であると思うので,是非最後までお付き合いください.
目次
免疫学とはなにか?
免疫系は,私たちの体が病原体(ウイルス,細菌,寄生虫)などの非自己物質、癌細胞などの異常細胞を認識し排除するシステムです.
その機構や機構の破綻を勉強するのが『免疫学』です.
医学部で,免疫学は基礎医学の1科目で,低学年で学習します.
大学ごとに多少の違いはありますが,2・3年生で学習します.
ちなみに,高校で生物選択の人は,少し触れた事がある分野です.
センター試験でも出題されてますよね。
高校生物の知識だけでOK?
高校生物基礎・生物で免疫学は触れます.
では、生物選択の人は医学部の免疫学をあまり勉強しなくても大丈夫でしょうか?
答えはNoです.
高校生物の免疫学は,医学部で学ぶ免疫学の超初歩です.
医学部では、高校生物よりさらに細かく勉強します。
『高校で免疫勉強したから大丈夫!』とたかを括っていると、痛い目を見ます。
免疫学の難しさは?
免疫学の勉強は正直大変でした.
大学の試験が全部筆記であったのが1つの理由ですが、それを除いても免疫学は難しかったです.
個人的に大変だった理由は下記の通りです。
- めちゃくちゃ細かい
- 免疫学は現在進行形で発展している学問であること
- 流れを理解する必要がある
細かい知識まで必要
『免疫学』と言っても、そのレベルは様々です.
臓器レベルで見る場合や,細胞レベルで見る場合、分子レベルで見る場合もあります.
特に分子レベルで見る場合は,IL(インターロイキン)―1とIL―2を産生する細胞の違いや,有名な分子一つ一つの作用を覚えるのが大変です…
細かすぎるだろ!!って当時の自分は思いましたが、CBTや医師国家試験で普通に出題されています…
105G38
血球とサイトカインの組合せで正しいのはどれか.3つ選べ.
a 好中球 - 顆粒球コロニー刺激因子〈G-CSF〉
b 好酸球 - インターフェロンα
c Tリンパ球 - インターロイキン2〈IL-2〉
d 赤血球 - エリスロポエチン〈EPO〉
e 血小板 - インターロイキン4〈IL-4〉
正解:a,c,d
免疫学は現在進行形で発展している学問
免疫学は現在進行形の学問です。
自分が2年生の時に学んだ免疫学よりも,今免疫学をやっている医学生の方が沢山の知識を覚えないといけません。
中には、単純暗記の事実もあり、個人的にはそれが大変でした。
流れを理解するのが大変
免疫学の勉強は,スポーツで例えるならば,サッカーや野球のようなチームスポーツです.
たとえ,一人の選手(一つの細胞)を詳しく知っていても,そのチームはうまく機能しません。
周りの選手の関係(他の細胞・組織との関係)を理解しないと、チームとして機能しません。
おすすめの教科書
免疫学の教科書は大学の図書館に行けば沢山あります.
ただ,全てが初学者向けではありません.
既学者向け、上級者向けの教科書も沢山あります。
なので、初学者向きの免疫学の参考書・教科書をここで紹介します.
もっとよくわかる免疫学
『もっとよくわかる免疫学』は初学者にもってこいの本です.
自分自身この本を使って勉強していましたし,免疫学の先生もこの本をおすすめしていました.
この本は、文章だけで理解するのが難しい部分に、イラストがたくさん挿入されていてます.
また、本の構成は前半部分が免疫学の基礎や大きな流れを掴むための説明で,後半部分がより詳しく知りたい人のための構成になっています.
価格は,約4400円です.
他の免疫学の教科書より分かりやすいのに、この値段は良心的すぎます.
How the immune system work
How the immune system works はタイトルからもわかる通り英語の教科書です.
この本は、冒頭の前書きにあるように,まさに初学者向きの本です.
具体的には,専門的で細かい内容には触れすぎず,免疫学を大きな目で捉えることができるように構成されています.
まとめ
免疫学は,医学部の低学年で学ぶ基礎医学の1つです.
高校で生物学をとった人なら,最初の方は簡単です.
しかし、高校レベルの知識ではCBTや国試には十分じゃないです.
しっかり、勉強しないと後で苦労します.
個人的なおすすめ教科書は,日本語の場合「もっとよくわかる免疫学」です.
英語で勉強する場合は「how the immune system works」がおすすめです.