【生物基礎】肝臓を構成する細胞たち

生物基礎・生物の教科書を開き,肝臓の働きを勉強しようとすると,その量に絶望し苦手意識を持つ人が多いのではないでしょうか?

わたしは絶望し苦手意識を持った一人でした

ただ,大学に入り『組織学』という科目で,肝臓を構成する細胞レベルの働きを勉強してから、肝臓の働きがだいぶ覚えやすくなりました。.

そこで、今回は肝臓を構成する細胞ごとの働きをみて、肝臓全体の働きを理解しましょう。

現時点で肝臓の働きを覚えるのが苦手な人でも、細胞レベルの働きを覚えれば、きっと肝臓全体の働きをうまく捉えることが出来るので、是非最後までお付き合いください。

それでは、早速見ていきましょう.

肝臓を構成する細胞たち

まず、肝臓を構成する細胞は1種類だけではありません!

大部分は『肝細胞』という細胞で埋め尽くされていますが、他にも、色々な種類の細胞が肝臓を構成しています

具体的には、以下の細胞が肝臓を構成しています。

  • 肝細胞
  • クッパー細胞
  • ピット細胞
  • 星細胞(伊東細胞)
  • 血管内皮細胞

上記の細胞一つ一つに特徴的な働きがあるので、次はそれを見ていきましょう。

各細胞の働き

肝細胞

ポイント

・肝臓を構成するメインの細胞

・タンパク質の合成・薬物代謝や解毒・炭水化物の貯蔵

・胆汁酸の分泌

肝細胞(hepatocyte)は,肝臓の約8割を占める細胞です。

肝細胞は、規則正しく配列し『肝小葉』を構成し、その肝小葉が集まって『肝臓』を構成しています。

肝細胞は,1000種類以上の酵素を持っていて、その酵素がうまく機能することで、タンパク質合成や薬物代謝、グルコースをグリコーゲンに変換して貯蔵するなど、肝臓の多種多様の働きを実現させます。

肝硬変など、肝細胞が障害されるような病気では、肝細胞の機能が落ちるので、タンパク質合成能力が落ち必要なタンパク質が体内で低下したり、薬物の代謝に時間が掛かり薬が効きすぎてしまうことがあります。

クッパー細胞

ポイント

・肝臓のマクロファージ

「クッパー細胞(Kupffer cell)」の名前は,某会社のゲームのラスボスを少し彷彿させますね。

この細胞は,肝小葉の中を走行する血管(類洞)の中にいる、マクロファージ系の細胞です。

マクロファージは、血液の有形成分を構成する赤血球・白血球・血小板のうち白血球に属する貪食能が盛んな細胞で、このクッパー細胞は肝臓にきた異物を除去しています

異物を除去し、肝臓をはじめ体全体を異物から防御しています。

ピット細胞

ポイント

・肝臓のナチュラル・キラー細胞

クッパー細胞に引き続き「ピット細胞(Pit Cell)」とちょっと特徴的な名前の細胞ですね。

Pit細胞の働きは、クッパー細胞と似ていて、体を異物から防御してくれます。

ただ、Pit細胞とクッパー細胞では攻撃対象が若干違います。

ピット細胞は,ナチュラルキラー細胞(NK細胞)の一種なので,ウイルスに感染した細胞や癌細胞などを攻撃し,破壊します

これについては,免疫系の分野で詳しく扱います。

伊東細胞

ポイント

・ディッセ腔にいる細胞

・ビタミンAや脂肪を貯蔵している

肝小葉の中を走行する血管(類洞)と、それに沿って並んでいる肝細胞の間には,僅かながらのスペースがあり、そのスペースを『ディッセ腔』と呼んでいます。

伊東細胞」はこのディッセ腔にいます。「伊藤」ではなく,「伊東」です。

伊東細胞の働きは、ビタミンAや脂肪成分の貯蓄です。

肝臓は全身のビタミンAの90%以上を貯蔵する臓器で,伊東細胞はそれに一役かっています。

血管内皮細胞

ここにタイトル

・穴がたくさん

『血管』の回で詳しく扱いますが、血管の最も内側の壁を作っている細胞は『血管内皮細胞』です。

ただ、単に『血管内皮細胞』といっても、細胞に穴ひとつないものから穴(小孔)が沢山あるものまで、臓器によって色々です。

肝臓の場合、多くの血管内皮細胞は小孔のある細胞です,その為、肝小葉内を走行する血管(類洞)とディッセ腔の間の物質の行き来が簡単になります。もちろん、ディッセ腔に面している肝細胞との物質の行き来も簡単になります。

確認問題

胆汁酸を産生するのはどれか.(医師国家試験)

a 肝細胞

b Pit細胞

c 星(状)細胞

d Kupffer細胞

e 胆管上皮細胞

解答・解説

正解:a

まとめ

いかがでしたか、今回は肝臓を構成する細胞ひとつひとつを細かく見ることで、肝臓全体の働きを理解できるような構成にしてみました。

もし、質問があればコメントの方にお願いします。

それではまた。

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