甲状腺ホルモンの分泌調節 フィードバックについて

甲状腺ホルモンは全身の組織に作用し、代謝を促進するホルモンです。

甲状腺ホルモンによって全身の熱産生がアップしたり、脂肪分解が促進したり、さらには骨の発達が促進したり、脳の正常な発達が促進したりと、私たちの体には欠かせない存在です。

ただ、甲状腺ホルモンが過剰に生産されても困ってしまいます。

なので、私たちの体は、甲状腺ホルモンの分泌が行き過ぎず、逆に不足しないよう、

上手に調節しています。

今回は、その調節機能(フィードバック機構)について紹介します。

甲状腺ホルモンの分泌調節に関わる組織・臓器

甲状腺ホルモンの分泌調節に関わる臓器・組織は主に3つです。

  1. 視床下部(間脳の一部)
  2. 下垂体前葉
  3. 甲状腺(気管の前にある臓器)

この三つがうまく連携し、甲状腺ホルモンの分泌を調節しています。

分泌調節 フィードバック

まず、視床下部から甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH: TSH releasing hormone)が血液中に放出されます。

血液中に放出された甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンは、視床下部と下垂体前葉を結ぶ血管(下垂体門脈)を流れ下垂体前葉に到着します。

到着した甲状腺刺激ホルモン放出ホルモンは、下垂体前葉の細胞にある甲状腺刺激ホルモンを作る細胞に作用します。

すると、その細胞から甲状腺刺激ホルモン(TSH:thyroid stimulating hormone)が血液中に放出されます。

血液中に放出された甲状腺刺激ホルモンは、巡りめぐって甲状腺に到着します。

甲状腺に到着した甲状腺刺激ホルモンは甲状腺に対して、甲状腺ホルモンの血中への放出を指令したり、甲状腺ホルモンの産生を指令したりします。

それにより、血液中に甲状腺ホルモン(T3、T4)が放出されます。

この放出された甲状腺ホルモン(T3、T4)たちが、血液循環に乗って全身の様々な組織に作用し代謝を促進させます。(促進させる機序は難しいので、ここでは省略します)

もちろん、視床下部や下垂体にも、この甲状腺ホルモンは流れていきます。

視床下部や下垂体に流れ着くホルモンが一定以上になると視床下部や下垂体は、

「これ以上甲状腺ホルモンを作らなくもいいな」

と判断し、それぞれ甲状腺刺激ホルモン放出ホルモン(TRH)や甲状腺刺激ホルモン(TSH)の分泌を抑えます。

すると、甲状腺も甲状腺刺激ホルモン(TSH)からの指令が弱くなるので、甲状腺ホルモンの放出や生産速度を抑えます。

このように、ホルモンの分泌を調節することをフィードバックと言います。

甲状腺ホルモンの場合は、甲状腺ホルモンによってその上流(TRHやTSH)に抑制をかけているので、

『「負」のフィードバック(negative feedback)』と言います。

まとめ

今回は、甲状腺ホルモンの分泌調節について扱いました。

他の生物基礎・生物範囲でご要望があれば、コメントよろしくお願いします。

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