‘21 共通テスト バソプレシン

2021年の共通テストの生物基礎でバソプレシンの問題が出題されました。

2問 問1

バソプレシンは、血液中の塩類濃度が(ア)なると分泌され、腎臓の(イ)、水の再吸収を促進させる。

(1)(ア)高く(イ)集合管において水を透過しやすくさせて
(2)(ア)高く(イ)尿細管においてナトリウムイオンの再吸収を促進し
(3)(ア)低く(イ)集合管において水を透過しやすくさせて
(4)(ア)低く(イ)尿細管においてナトリウムイオンの再吸収を促進し

今回はこの問題を解説しつつ、バソプレシンの働きを解説します。

バソプレシンはいつ・どこから分泌される?

バソプレシンは、間脳の一部である視床下部で合成され、下垂体の後葉から血液中に放出される、ホルモンの一種です。

バソプレシンは血液の浸透圧が高い時に分泌が促進されます。

つまり、電解質、ブドウ糖、尿素の濃度が高いときです。

バソプレシンの作用

バソプレシンの別名は「抗利尿ホルモン」です。

文字通り、「尿の排泄を促進すること(利尿)」に「抗う」作用を示します。

つまり、尿の排泄を抑制します。

どのように尿の排泄を抑制するのか?

それは、腎臓の濾過装置(糸球体)で一度濾過され、排泄管へでた排泄液(原尿)から、もう一度体内に水分を汲み戻すことで可能にしています。

具体的には、腎臓のバソプレシン受容体(V2受容体)に作用し、

排泄管の一部である、集合管を構成する細胞に、水を汲み取る専用のチャンネルをたくさん作ります。

(この水専用のチャンネルを「アクアポリン(水チャンネル)」と言います)

このチャンネルにより、一度は排泄管へでた排泄液(原尿)から水分を体内に汲み戻します。

結果として、水の排泄が抑制されるので、血液の浸透圧を下げる方向に働きます。

バソプレシンに関連した疾患

バソプレシンが作れない・分泌できない・効かない

バソプレシンが視床下部で作れない、下垂体後葉から血中に放出できない、腎臓に作用しない、など様々な原因で「尿崩症」という病気が起きます。

視床下部や下垂体後葉の障害でバソプレシンが不足し生じる尿崩症を『中枢生尿崩症』、腎臓にバソプレシンが正常どおりに作用しない尿崩症を『腎性尿崩症』と言います。

どちらも、水の再吸収が不十分になり、多尿となります。

バソプレシンが必要以上に出ると…

バソプレシンが沢山放出されると、水の再吸収もその分促進されます。

水の再吸収が正常より多くなると、血液が希釈され浸透圧が低下します。

※本記事を読んで不安を覚えられることがありましたら、お近くの医師に相談してください。本記事はあくまでも「読み物」としてお楽しみください。

問題解説

さて、冒頭の問題をもう一度見てみましょう。

2問 問1

バソプレシンは、血液中の塩類濃度が(ア)なると分泌され、腎臓の(イ)、水の再吸収を促進させる。

(1)(ア)高く(イ)集合管において水を透過しやすくさせて
(2)(ア)高く(イ)尿細管においてナトリウムイオンの再吸収を促進し
(3)(ア)低く(イ)集合管において水を透過しやすくさせて
(4)(ア)低く(イ)尿細管においてナトリウムイオンの再吸収を促進し

答えは、(1)ですね。

血液中の塩類濃度(ナトリウム濃度など)が高くなると、血漿の浸透圧は上昇します。

それを中枢が感知して、バソプレシンを分泌します。

バソプレシンは、集合管の細胞に水チャネルを形成することで、水の透過性を高め、水の再吸収を促進します。

確認問題

尿細管の一部で、バソプレシンにより水の透過性が増加する。正しいのはどれか

a 近位尿細管
b ヘンレループ
c 遠位尿細管
d 集合管

解答・解説
正解:d

92回医師国家試験(改)

バソプレシンが過剰に分泌された場合、みられるのはどれか.2つ選べ.

a 血清ナトリウム低値
b 血清カリウム高値
c 血清尿酸高値
d 血漿レニン活性高値
e 血漿浸透圧低値

解答・解説
正解:a,e

まとめ

今回は、バソプレシンについて2021年度の共通テストの問題と併せて解説しました。

バソプレシンは、血液の浸透圧が高い時に下垂体後葉から分泌されるホルモンです。

主な作用は腎臓の集合管に作用して、水の再吸収を促進することです。

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